〰️AUSD価格安定モジュール
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価格の安定性は、ステーブルコインの最も重要な品質であり、AUSDの採用を促進するために必要な重要な要素です。AUSDが$1のペッグを維持できるように、当社はAUSDの価格が一時的に$1のペッグから外れた場合に、裁定者がAUSDで簡単に裁定取引(アービトラージ)を行い、裁定取引が成功するたびに利益を得られるよう、必要なすべてのツールを提供しています。
裁定者がAUSDの$1ペッグ維持を支援しながら利益を得るためには2つの場面があります。
以下に、それぞれの例でどのように裁定取引が行われるかを示します。
AUSD裁定者は、フラッシュミントを通じてAUSDをフラッシュミント(発行)します。
フラッシュミントからAUSDを受け取ります。
PancakeSwapのAUSD-BUSDプールを通じてAUSDをBUSDに交換します。
1 AUSDの価値が1 BUSDよりも高いため、自分が発行した元の AUSDの量よりも多くのBUSDを受け取ります。
アルパカのステーブルスワップを使用して、BUSDとAUSDを 1:1 の比率で交換します。
最後に、フラッシュミントしたAUSDを返済し、その差額を利益として得ます。
AUSD裁定者は、フラッシュスワップを利用してPancakeSwapから価格の低いAUSDを借ります。
フラッシュスワップからAUSDを受け取ります。
ステーブルスワップを利用してAUSDをBUSDに1:1で交換します。
最後に、BUSDをPancakeSwapに返してフラッシュスワップを終了し、その差額を利益として得ます。
以下の内容は、アルパカファイナンスの戦略・マーケティング責任者であるSamsara氏によるTwitterのオリジナルスレッドから抜粋したものです。
AUSDのステーブルスワップモジュールは、MakerDAO(DAI)の時間をかけて検証されたPSMに基づいています。このモジュールは3つのユーティリティを提供します。
1: 裁定取引者の取引を促進にする
ステーブルスワップによるトークンの交換は、価格に影響を与えない1:1であるため、より速く、より安く、より確実です。交換が容易になることで、より多くの裁定取引者が集まり、ペッグの安定化につながります。
2: 買い方向の条件付きサポート
裁定取引者が参入し、AUSDの実用性が長期的に上昇すると、買い需要によってAUSDが1~1.002ドルの間に留まる時期が出てきます。このような時期には、BUSD準備金の積み立てにより限定的なハードペッグを行います。この条件付きサポートは、ペッグを安定させるための複数の影響力のうちの1つであり、買い方向のハードペッグを意味するものではありません。ステーブルスワップは、売り方向のペッグに対してより強い影響力を持っています。
3: 売り方向のハードペグ
AUSDは常にBUSDと1:1で発行できるため、裁定取引者はBUSDを1.002ドル未満で発行できることが約束されています(0.2%の手数料を含めて)。AUSDは主に借り入れ資産であるため、売り方向のハードペッグは買い方向よりも重要です。
AUSDの借り入れ資産としての役割を説明し、売り方向のペッグの方が重要である理由を理解するためには、AUSDの主な使用例(戦略)を書き出す必要があります。ここでは、ユーザーの間で最も頻繁に使用されていると思われるものから最も使われないであろうものまで、順に説明します(使用例A-C)。
使用例A:AUSDを借りてステーキングする:BUSDを預け入れてAUSDを発行し、AUSD-BUSDなどをステーキングする
AUSDを借り、交換せずにそのままステーキングに使う場合、AUSDのエクスポージャーはニュートラルであるため、AUSDの価格はポジションにほとんど影響を与えません。唯一AUSD価格がポジションに影響を与えるのは、AUSD-BUSDのLPペア内のIL(インパーマネントロス)だけですが、AUSDの値動きが1桁%程度ではこのようなILはとても小さく、仮にAUSDが0.89まで激しく下落したとしても、ILによる損失は0.17%しかありません。
使用例B: くり返し(ループで)AUSDを借りる: AUSDの発行とBUSDへの交換、預け入れを繰り返しレバレッジを高める
この方法では、ユーザーがBUSDなどを預け、それを担保にAUSDを発行し、それを売ってBUSDに交換し、そのBUSDを預け入れてさらにAUSDを発行することを繰り返します。
「借りてステーキングする」使用例Aは、AUSDの値動きに対してニュートラルでした。
一方、AUSDの借り入れを繰り返す使用例Bは、AUSDを借りて売る、つまりショートであり、AUSDを「1ドル」以下に抑えるという売り方向のハードペッグが必要です。AUSD借りをループしているユーザーは、そのポジションを解消するためにAUSDを買い戻す必要があります。ポジションを持った後にAUSDの価格が大幅に上昇した場合、AUSDを買うために多くの費用を支払わなければならず、損失をうけることになります。これが、彼らのポジションがショートエクスポージャーである理由です。レバレッジ戦略である使用例Bは、理論的にはリスクが高いです。そのため、売り方向に1ドル未満のハードペッグを設け、AUSDのアルパカガードのような清算保護と組み合わせることで、AUSDをループさせるユーザーは、売り方向のリスクを最小限に抑えることができます。
使用例C:AUSDを購入して、AUSD-BUSDまたはその他の場所でステーキングする
これは使用例Aと似ていますが、BUSDを担保にAUSDを借りる代わりに、直接AUSDを購入するところが違っています。AUSDを借りる使用例Aは、AUSDを買うよりも一般的にROIが高いです(清算リスクが適切に監視されている限り)。しかし、AUSDのしくみに不安があったり、知らなかったりする経験の浅いユーザーは、より一般的なAUSDを買う方法で利用されますし、それが理にかなっている場合もあります。
使用例Cは、3つの中で唯一AUSDをロングしているため、買い方向のペッグが重要です。しかし、この戦略は最も使われない例です。ステーブルコインの初期段階(現在のAUSDの段階)では、買い方向のペッグは他の2つの戦略ほど使われません。ほとんどの買いは裁定取引からです。しかし、AUSDステーブルコインのエコシステムの有用性が時間とともに高まってくると、現在のDAIのように、市場で買ってステーキングする例が増えてきます。
買い方向のペッグについては、すべての戦略の市場での純購入額が0以上であることから、経済理論的には長期的なペッグの保証が暗黙のうちに存在することを理解しておかないといけません。これは、AUSDが売られると、ポジションをクローズするために後で買い戻さなければならないからです。AUSDの売りは、AUSDが発行された後にのみ行われます。
ステーキング(使用例A)をした借り手はAUSDを買いも売りもしない
使用例BではAUSDを売るが、後で買い戻さなければならない
使用例Cでは、最初にAUSDを買わなければならない
このように、AUSDの純買いはすべての戦略を合計すると0以上となり、長期的な1ドルペッグの保証となります
最後に、買い方向のペッグメカニズムとして、金利コントロールがあります。AUSDの価格が下がりすぎた場合、借り入れ金利を上げて、AUSD借りを繰り返す人にAUSDの買い戻しを促すことで、正の純買い圧力を生み出し、価格を修正することができます。
AUSDの使い道を継続的に展開していくと、買ってステーキングする人(使用例C)が増え、AUSDを繰り返し借りる人(使用例B)の一時的な売り圧力を相殺する買い圧力が生まれ、さらにはペッグを1ドル以上にしてBUSD準備金を構築し、さらなる安定性を得ることができるでしょう。
要約すると、ステーブルコインのペッグは、実用性と循環供給が成長するにつれて、時間とともに厳格になります。AUSDは健全で安全ですが、まだ非常に初期の段階です。公開されたコアコンポーネント3つのうち1つしか始まっていません。しかし、これらの原則を知っていれば、AUSDを発行して高い利回りを得ることができます。
(アルパカが草の上にいないときに)アルパカの口の近くにお金を置くために、また、AUSDの成長へのコミットメントを示すために、私たちは開発資金の収益の最大40%をペグ保険基金に割り当て、AUSDの価格が1ドル付近で推移することを保証し、AUSDが下落したら市場で購入してその価格をサポートする予定です。
私たちは最近、アルパカのプラットフォーム収益(年間約100万ドル)に関する分析結果を発表しました。これはAUSDの1ドルペグを継続的に維持できる信頼になると思います。
また、アルパカチームは万が一の場合にもAUSDがペグを維持できるよう、常に追加措置を講じられるよう準備しています。
ペグ保険基金への開発資金の資本移動は、AUSDの価格が決められたパラメーターを下回った場合にのみ有効になります。その後、AUSDの価格が決定されたパラメーターより上に戻るまで、継続的な資本移動が有効になり、AUSDを継続的に購入します。